優勝を果たした岩田寛選手。

岩田寛選手の優勝会見 ギャラリーの方々に「大丈夫、大丈夫」と 声を掛けてもらって泣きそうでした!

プレーオフを制して自身初となるメジャー優勝を果たした岩田寛選手。
石川遼選手が追い上げてきた時の心境やどんな気持ちでプレーオフにのぞんだのかなどについて語った
優勝決定直後の会見の模様を抜粋してレポートします。

岩田寛(いわたひろし)
2014年に国内ツアーで初優勝。2016年には米国ツアーに挑戦し、『AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ』で4位に入る健闘を見せたが、シード権は獲得できず、2017年からは再び日本を主戦場とした。40歳を過ぎた2021年から4年連続で勝利を収めている。

「ベテランはこのコースで勝てない」と言う
メンバーさんに腹が立っていた

▼優勝した感想
疲れた!って感じです(笑)

▼プレーオフが決まったときの心境
これまでプレーオフで勝ったことがないんです(過去ツアーで2戦全敗)。ただ、今回は「プレーオフか」と思いながら冷静でした。

▼4日間を振り返って、良かった点は?
今回はよくわからないですね。
練習しているときに、僕にではなくマネージャーに話しかけるメンバーさんがいるんですけど、「このコースはベテランには勝てない」と僕の目の前で言うんです。何年も言われていたので腹が立っていました(笑)。でも去年2位になって言われなくなり、今年は優勝したのでびっくりしていると思います(笑)。

▼43歳で大会最年長優勝を果たしたことについて
きついですね~(笑)。
予選ラウンドは若い選手と回ったんですけど、みんな気持ちよく打っているんです。

▼石川遼選手の追い上げは把握していたか?
14番ホールを歩いていたときに歓声が上がっていたので。

▼その時の心境
「これで負けたらどうしよう」と思いました。16番のティーでそう思ったんですが、やらないといけないことがあったので、僕はそれをやるだけでした。

プレーオフのため18番ティーに向かう岩田寛選手。

調子が良いと逆に不安になり、悪いとイライラするので普通が良い

▼若手選手に負けないようにしている部分や自分の持ち味は?
特にないです。持ち味とか考えたことはなくて、ただ自分がやりたいことしかやっていないです。トレーニングとか。

▼やりたいこととは?
ずっとあまり変わっていません。トレーニングの内容も。もっと飛ばしたい、とかです。

▼年齢を重ねてどんな工夫をしてトレーニングしている?
怪我をしないことですね。体を大きくしても柔軟性を失わないようにしています。スピードとかも重視しています。柔軟性はストレッチだけでなく、今は細かい動きなども意識しています。

▼細かい動きとは?
トレーナーと話しながら、自分ができない体勢があるのが嫌なので、そういうことを意識しています。

▼理想のスイングに近づいている?
やればやるほど遠ざかっている気がします(笑)。調子が良い日があると逆に不安になるんです。調子が悪いとイライラするし、調子が良いと不安だし、普通が良いですね。

石川遼プロのキャディが来週の試合の
自分のキャディで気まずかった(笑)

▼緊張はしましたか?
昨日は不安で、めちゃくちゃ寝ました(笑) 8時間くらい。

▼プレー中は緊張感なく?
ところどころ緊張しました。1番ホールが一番緊張しましたね。自分がやりたい課題があって、それができるかどうか不安でした。1番ホールで良い球が打てて、3番で打った後くらいから緊張が解けました。

▼石川プロへの歓声が聞こえてきて緊張はしませんでしたか?
今週の石川遼のキャディが、僕の来週の試合のキャディなんです。それで気まずいな、と(笑)。遼が勝って「ごめんね」って言われるのも嫌だし(笑)。だからプレーオフの前に「恨みっこなしね」と言いました。

▼プレーオフではみんな石川プロを応援するんじゃないかと思った?
正規の18番ホールでパーパットを終えてスコア提出に向かうまでに、ギャラリーの方々が『大丈夫、大丈夫』と声を掛けてくれて、泣きそうでした。

プレーオフが決まった直後。この後のスコア提出に向かう際に、多くのギャラリーから励ましの言葉をもらった。

プレーオフでは変なことを考えたり、気合が入りすぎたりすることもなく普通にできた

▼自分の性格はどう考えてる?
変わっていますよね。

▼緊迫した場面でも気持ちが弱くならない性格?
そういう時もあれば、そうじゃない時もあります。自分の状態によって変わりますね。

▼プレーオフの時はどういう精神状態?
遼が18番でボギーを打つとは思っていなかったので、「どうしよう」とずっと思っていました。

▼イメージと違う状況になりましたがどういう心境
「え、これ入れたら優勝?」って感じでした。最後のパットの時は、いつも通りやろうと思いました。

▼過去にプレーオフで負けたときと、勝った今日との違いは?
ツアーだけでなく予選会のプレーオフでも勝ったことがなかったんですが、今回は普通でした。変なことを考えたり、気合が入りすぎたりすることもなく、自然体でした。そして今回、初めて自分が上がってのプレーオフでした。いつもは待っている側でしたね。

▼冷静にプレーできた?
はい。

▼次の目標について
昨年のこの試合から調子が悪くて、優勝争いもできていませんでした。毎年2勝を目指しているのですが、今回の優勝をリセットして、また明日から努力していきたいと思います。

優勝決定後、待っていた多くのファンにサインをする岩田寛選手

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