宍戸ヒルズカントリークラブでの20回連続開催を記念して、JGTOの青木功会長(左)より多田野敬社長に記念の盾が贈られた。
世界で活躍する選手の輩出と
地元の一大イベントになることを目指す
宍戸ヒルズカントリークラブで20回連続の開催となったBMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ。
20回連続で開催してきたゴルフ場は、どのような目的で開催してきたのでしょうか?
また、20回連続で開催してきたことで生まれてきたものとは?
ゴルフ場を経営する森ビルゴルフリゾート株式会社の多田野敬社長に話を聞きました。
海外で活躍する選手を
この大会から輩出したい
▼宍戸ヒルズで20回連続開催されていることについて
支えてくださった方々に感謝したいです。我々だけではなく、協賛スポンサー、地元の自治体である茨城県や笠間市、そして教育委員会などからの多大なる支援のおかげで、20回連続開催を実現できたのだと感じます。
▼長年、協賛をしている理由
この大会を通じ、男子プロゴルフをさらに発展させ、選手たちに力をつけてもらいたいという思いから毎年開催しています。ツアープレーヤーNo.1を決める大会ですから、選手たちには海外でも活躍できる実力をつけてもらいたいと考えています。
▼長年やってきて印象に残っていること
初優勝者が多いことですね。優勝をしたくて頑張ってきて、メジャーで念願の初優勝ができて本当に良かったと思います。 この大会での優勝を機に海外ツアーに挑戦する選手も増えています。米国PGAツアーや欧州ツアーの試合の出場資格が得られるということもありますが、2013年優勝の小平智選手や昨年優勝の比嘉一貴選手、そして今年勝った金谷拓実選手など、みんな海外に挑戦しています。我々の目指す方向と合致していますし、海外での活躍の場を増やしていく選手が増えることは、非常に嬉しいことです。
スポーツ&フードフェスや花火で
喜びの声がたくさん届いた
▼地元地域との関係について
長年、地元のお祭りを続けてきて、地元の方々に参加していただいたり来ていただくことで、絆を深めてきました。森ビル株式会社は、街づくりを通して地元との関係を重視しています。そのため、ゴルフトーナメントに関しても、地元への還元や協力環境を築くことが必要だと考えています。
▼今年開催した「かさまスポーツ&フードフェス」の狙い
野球、バスケット、ボルダリング、BMX、スケートボードなど、ゴルフ以外に興味がある方々にもゴルフ場に来ていただけましたので、すごくいいフェスになったなと感じています。ゴルフはまだまだ一部の方のスポーツであるので、他のスポーツに興味がある方々に来ていただくことでゴルフを知ってもらい、興味を持ってもらえる機会になったのは非常に良かったと思います。
また、地元茨城県笠間市のスポーツが全部一か所に集まったのは初めてだったようで、笠間市のスポーツを表現する場にもなったという意見が地元の方々からも出ていました。
▼フェスの最後には花火大会もありました
大会としてすごく象徴的なものになりました。宍戸ヒルズは高台なので、そこから打ち上げたということもあり、花火は地元地域のどこからでも見えたようです。地元の方々から喜びの声がたくさん届いています。
普段の営業でも
メジャー開催コースならではの
クオリティを追求
▼20回連続開催したことによるコースへの影響
日本一の選手を決める大会ですから、やはり日本一のゴルフコースにしなくてはいけないという思いでやっています。雨の多い時期ですので、排水のコンディションにはかなり注意をしていますし、必要な範囲で木を切るなどの整備を常に行っています。
世界のゴルフトーナメントではどんどんコースが長くなっていますので、世界でも通用する選手を育てるためにコースの距離も伸ばしています。ラフに関しては昨年からはそれほど深くないようにしましたが、グリーンは硬くて止まらなくて速いので、選手の技術が試されます。イメージはマスターズですね。
また、普段の営業でも「さすが、宍戸だね」と言ってもらえるようにしたいと思っています。コースのクオリティはもちろん食事も美味しくなくてはいけないですし、お風呂、ロッカーなど、コース以外の設備についてもメジャー開催コースとしてのクオリティを追求しています。 それからキャディに関しても、日本ゴルフツアー選手権でプロのキャディをするというのは一つの目標になっていて、経験したスタッフは誇りに思っています。普段の営業でもキャディの評価は高いのですが、これも長年メジャー大会を実施してきた成果ではないかと思います。
▼どんな選手が出てきて欲しい?
スポーツですから闘志というか、もう少し感情を出して欲しいですね。失敗したら悔しい顔をして欲しいですし、いいプレーをしたら喜ぶ。他のスポーツではいいプレーをしたらみんな喜びますし表現をしますけど、ゴルフトーナメントでも見たいですね。個性をもっと出してくれた方がいいと思います。
▼スナッグゴルフについて
子供たちにゴルフを楽しんでもらうことを目的として、長年地元の小学校にスナッグゴルフを寄贈しています。子供たちが手軽にゴルフを始められる環境を提供することができるので、とても良いと思います。学校側も協力してくださっていて、徐々に浸透してきています。笠間市はスナックゴルフのエリアとして発展しており、地元の協力によってゴルフの街としての地位も高まっています。畑岡奈紗プロもスナッグゴルフからゴルフに入りましたが、スナックゴルフから本格的なゴルフに興味を持つ子供たちも増えています。
▼今後はどのような大会にしていきたいですか?
地元地域の一大イベントにしていきたいです。ゴルフに興味が全くないご家族にも楽しんでいただけるようなイベントにしたいです。
また、昨年よりBMWさんがタイトルスポンサーとして加わることによって、ラグジュアリーなスペースも増えました。楽しみ方の選択肢がたくさんあるトーナメントですので、様々な方々に来ていただきたいです。
そして世界で活躍できる選手を輩出することも目標の一つですので、この大会で優勝した選手が、世界4大メジャーで大活躍するシーンを見たいですね。
表彰式に出席した森ビルゴルフリゾート株式会社の多田野敬社長(左)