初日から最終日までトップに立ち続ける完全優勝を果たした金谷拓実。

2023 BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ優勝 金谷拓実選手にインタビュー

目標は松山英樹。
最高峰の米国PGAツアーで優勝をしたい!

日本中のゴルフファンを熱狂させた
最終日17番ホール2打目のスーパーショットを
放った時の心境や今の男子ツアーの魅力について直撃。
自身が目標とする海外ツアーでの課題や
将来の目標などについて聞いてみました。

金谷拓実(かなやたくみ)プロフィール
2019年のマスターズに日本人アマとしては松山英樹に次ぐ2人目の参戦。同年11月には『三井住友VISA太平洋マスターズ』で史上4人目のアマ優勝を果たした。2020年10月にプロ転向。同年11月「ダンロップフェニックス」でプロ初優勝を飾った。今年2月のアジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で海外ツアー初タイトルを獲得。

積極的な気持ちを
最後まで貫けたのが勝因

▼初の国内メジャー優勝を果たした感想

宍戸ヒルズカントリークラブは非常に難易度の高いコースです。去年もプレーをして、ここを攻略できればもっといい選手になれると思っていたので、優勝できたことは本当に自信になりました。
(難しいコースは)やはりワクワクしますね。小さい時からテレビで見ていた憧れももちろんあって、この試合で優勝したいという気持ちはすごく強く持っていました。

▼最終日17番2打目のスーパーショットを振り返って

17番ホールに入る時点で1打リードしていました。僕のティーショットは左のラフに入ってしまって、優勝争いをしていた2人はフェアウェイとファーストカットという悪くない位置につけていました。前の週のミズノオープンで最終日の後半は積極的なプレーができず1打足りずにプレーオフに残れなかったので、この週は積極的な気持ちを最後まで貫こうと思っていました。

▼今の男子ツアーの魅力

今、賞金ランキングの上位には若くて上手い選手が多く、積極的なプレーをする選手が目立っています。プロになって浅いですが、その選手同士のライバル意識はすごく高いと思います。今年は接戦が多いです。やっている僕らもすごく面白いですし、見ている方々にも楽しんでもらえているのではと感じています。
日本ゴルフツアー選手権の週は、アマチュアの時から一緒に遠征なども行ってきた中島選手と優勝争いをして、その週は僕が勝ちましたけど翌週はまたプレーオフで中島選手と争って今度は中島選手が優勝しました。他にも若い選手はたくさんいますし、ベテランの選手も谷原選手が優勝したり、本当に色々な世代の選手が熱い戦いをくり広げていると思っています。

▼金谷プロもアマチュア時代に所属していたナショナルチームについて

僕がナショナルチームに入った2015年から、ガレス・ジョーンズコーチが就任しました。トレーニングだったり、練習方法だったりと様々な知識を得られる専門スタッフの方々もいらっしゃいました。ナショナルチームで成長のスピードが速くなったと思いますし、これからもナショナルチームから世界を目指す選手がたくさん出てくると思います。

国内ツアーでは確立できた
自分のゲームを
海外の試合でもできるようにしたい

▼宍戸ヒルズカントリークラブ(西コース)の感想

14番からの最後の5ホールはすごく難易度が高いホールが続きます。もちろんバーディを狙えるホールもありますが、スコアを落としてしまうホールも多いです。スコアが動きやすいので、優勝争いでは3打リードをしていても、ヒヤヒヤしながらプレーしなくてはいけないんじゃないかなと思います。
距離は結構ありますし、海外メジャー開催コースと比べてもティーショットの難易度は非常に高いと思います。とてもグリーンのスピードが速くて何よりもすごくグリーンのコンディションが素晴らしいコースなので、オーガスタナショナルGCと変わらないぐらいのスピードは出ているんじゃないかと思います。
今年の2日目は朝起きた時から大雨で、さすがに中止だろうなと思いました。他のコースでしたらグリーンに水が浮いて試合ができる状態じゃないと思います。ところがコースに着くとあれだけの雨でもグリーンに一切水は浮いていなかったですし、グリーンのスピードも全然落ちていなかったのですごいなと思いました。

大雨が降った2日目も、グリーン上では水が浮くことがなかった。

▼海外のツアーでの課題について

国内のようにプレーができていないことが、すごく悔しいなと思います。今年は日本ゴルフツアー選手権で優勝ができて、自信を持って「BMWインターナショナル」に臨んだのですが、周りのレベルが高いこともあって自分のプレーに集中することができませんでした。自分のゲームでプレーすればいいのに、自分の実力以上のものを発揮しようとしてうまくいかなかったのが残念だったと思います。
全英オープンでは初日の16番まではいいプレーをしていて、17番、18番とスコアを落としてしまってそこで少しプレッシャーも感じました。そういった状況で落ち着いてプレーできないというのは、もちろん経験が足りなかったりまだ自分のプレーに自信を持っていないからなのかなと終わってから思いました。
国内ツアーでは今の自分のゲームが確立してきているので、それをどんな場所でもどこに行っても自信を持ってできるようしたいです。やっぱり自信がないので、自分のもの以上のものを出そうとしてしまってミスをしてしまうことが(海外では)ありました。
今年の後半戦は国内に専念するつもりですけど、また来年以降色々な場所でも自分らしいプレーを心がけたいなと思います。
また、日本で開催される米国PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、アメリカから本当にいい選手がたくさん来ると思いますが、いい選手の中でも自分のゲームで戦うつもりです。

▼年内の目標

賞金王を取りたいと思っています。また、日本オープン、そして「ZOZOチャンピオンシップ」と続くので、この2連戦が僕の中ではすごく勝負かなと思っています。
日本ツアーの賞金王には昨年から欧州ツアー(DPワールドツアー)の出場資格が与えられたり、また賞金ランキング1位にいれば(11月13日時点)、米下部コーンフェリーツアーの最終予選会の出場権が得られ、そこからPGAツアーに繋がったり、海外への道筋が増え始めているので、賞金王を取るということが次の年の海外へのステップアップに向けてすごく大事なことだと思っています。

▼将来はどんなプロゴルファーになりたい?

松山英樹選手を目標として大学から過ごしてきました。海外でプレーする機会を増やしながら、いずれ最高峰であるアメリカで優勝をしたいですし、そのためにどんどんステップアップをしていきたいです。

表彰式でスピーチを行う金谷拓実。

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