「光栄です。3日間しかできなかったけど、勝ちは勝ち。だってこの位置にいなければ勝てなかったわけですから」
12時39分、この日2度目の中断のサイレンが鳴ると横尾要は、伊沢利光に握手を求めてきた。最終ラウンド最終組で共に戦うはずだった2人。そのとき、まだスタートもしていなかったこと、そして依然、コース上空に雷雲がたちこめていたことから、時間的に競技の再開は難しいと判断して横尾は、その場で勝者を称えたのだった。54ホール目に突然、降って沸いた勝利。戸惑いながらも、笑顔で手を握り返すチャンピオンば「たとえ3日間でも勝ちは勝ち」と胸を張った。
●伊沢利光の優勝インタビュー
「ショットにはなんの問題もなかった。あるとすれば2日目以降からグリーンの芝目がよくわからなくなってきちゃってたもんで、心配はそれだけでした。普通、勝つときって、パットもいいはずなんですけどね。その点では、2日目からちょっと危なかったかな。
残り18ホールもやりたかったといえばやりたかったけど、でも、2回目の中断が決まったときは、『ここまできたら、このままどんどん時間が経っちゃってください』という感じでした(笑)。もう、中止のほうへ気持ちはいっちゃってましたね。時間的な問題と、まだこれからデカイ雷が来てるとか、関係者が言ってたから、ダメ(再開は無理)なのかな~って思ってね。
午後から天気よくないとは聞いてましたけど、(第3ラウンドの残りホールを)まわってるときは非常にいい天気でしたからね。こんなひどい天気になるとは想像できなかった。
要ちゃんが握手してきたときは『いや、まだ早いでしょう』って。『まだ決定じゃないんだから』って思いましたけどね。
3日間しかしてないけれど、どんな形でも勝ちは勝ち。ツアーナンバー1を決める第1回目の大会で、勝てるなんて嬉しいですよね。光栄です。去年は2週連続優勝したりしてあれだけの成績を残して、今年1勝もできないのはつらいなって思っていましたから。(師匠の)ジャンボさんにも、今年のはじめに『僕は今年は去年以上の成績を残したいです』って豊富を言ったら、『それはきついぞ~』って言われていたから、とにかく早く勝ちたかったんです。“半勝”だろって言われるかもしれないから、自分から優勝報告するのはよしときますよ(笑)。
本当に嬉しいです。でも、今年のツアーはまだまだこれから。このあとの試合も頑張っていきますよ。みなさん、応援してくださいね」